再び、またまた問い合わせが有りましたので、お答えします。

今年もFIA F2の2年目を走っている日本人の 岩佐歩夢選手がカートを経験している際の
チームとカート屋さんはどこなのでしょうか・・・

という問い合わせが、又繰り返しありました。

お答えいたします。
最後の4年間は私の指導で、鈴鹿シリーズ ヤマハSSを2年、X30クラスを2年、 ヤマハSSを2年で、
X30を同じく2年でシリーズチャンピオンを獲得しました。

2016年と2017年の鈴鹿シリーズ X30のリザルトを確認ください。
エンジンOHはもちろん私が4年間行っていました。

同時にチームを移籍した選手で 福原海選手と鈴鹿で走り、
最後の2017年には X30クラスで この二人が シリーズチャンピオンとシリーズ3位を獲得しました。
今でも鈴鹿のリザルトに載っています。

チーム名の最後にエントラントの 「NRU(ネダレーシングユニオン)」をつけてもらいました。
X30クラスについては、2年間のリザルトがまだ鈴鹿サーキットのリザルトで確認できます。

この4年間は選手にとって非常に大切な時間だったと思います。
最初の年(1年目)ですが、KTエンジンのOHのみで最後のレースのみに私が鈴鹿にサポートに行きました。
初年度結果が出なかったので、何が原因かを確認する目的でした。
他のサーキットで多くのチャンピオンを獲得しているエンジンのOHデータですので、
そこそこ でのレース内容だろうと考えて鈴鹿シリーズの選手の活躍を期待していました。
サポートに鈴鹿に入って、まず「シャシーセット」のいい加減さでした。
その1レースだけではどうしようもありません・・・

シャシーセットがいい加減であったため、 乗り方も話になりませんでした。
仕方無いのでしょう・・・
メカニックをしているお父さんは殆どカートは素人だったのですから・・・
SSの2年目の次の年、全体の8割の レースに私が鈴鹿に行きシャシーセットの進め方を 指導しました。
そのかいあって、岩佐歩夢選手はシリーズチャンピオンをとることができました・・・
その際に一緒のクラスに出ていた福原海選手は、たしかシリーズ11位くらいだった記憶があります。
ようは一言でいえば「いまいち」でした。

さてその後2人とも鈴鹿X30クラスにステップアップしました。
この年も私は最初のレースには行きませんでした。
しかし、ヤマハSSでチャンピオンをとっても、鈴鹿X30クラスはそう簡単にトップグループを走れる
クラスではありませんでした。
そこで私は急遽「フォーミュラに向けて、好結果につながるカートの乗り方」と題した教科書を 作りました。
その内容は、日ごろ私が「理論的にはこうなのだから、そのために速く走るにはこのように操作する」
という内容をふんだんに 取り入れて記載しました。
A4で7ページほどの、重要な点をかなり詳しく記載しました。

年齢的に物理的な部分は理解が難しいところもあったでしょうが、
X30クラスシリーズの中盤には 間に合い2人に手渡しました。

この「教科書の内容をすべて暗記するように」と指示しました。
その教科書の内容の言葉をまず暗記してもらい、サーキットに入ってから私が話する内容の理解を
短時間で行えるようにしたのです・・・

そこからは残りの1年半のX30クラスの全ての鈴鹿のレースにメカニックのために行きました。
それでもかなり苦労し(私も含めて・・・笑)
X30の初年度の後半には何とか形になってきました。
次の年は全ての鈴鹿X30クラスに 行きましたが、
毎レース必ず教科書をもって来るように指示し 走る前に必ず読むように指導しました。
その効果が出たのでしょう・・・
最後のレースでタイムトライアル2番手福原選手、3番手岩佐選手という素晴らしい結果でしたが、
予選スタート後の1コーナーで後の選手に押され福原選手がダートに飛び出て最後尾でリタイヤ・・・
決勝は岩佐選手は5番手スタート、かたや福原選手は最後尾スタート・・・
岩佐歩夢選手は2位ゴール、なんと福原選手は最後尾スタートから11位ゴール・・・21台抜き・・・
これにはびっくりしました。
それが無ければシリーズ1,2位だったのですが・・・
そのような思いは私よりも 岩佐選手と福原選手2人の選手の方が大きかったでしょう・・・
そのような経験をして2017年 鈴鹿シリーズX30クラスを終わった記憶が蘇ってきました。
以上のように、「速くなるには・・・」という命題の答えは・・・・
「シャシーセットを理解すること・・・その速さを使える乗り方をする」 これに尽きるということです。
何の世界も究極の領域に到達するには、「頭脳明晰」だけではだめで、その「具現化」必要です。
岩佐歩夢選手も「あの教科書」の内容を理解してくれて今があると考えています・・・
皆さんもステップアップを目指しているのであれば、「具現化」することを最後に求められます。
それは最終的に「速く走ること・・・」 この一言に尽きます・・・
それでは頑張りましょう・・・