直近のヤフーのオートスポーツの記事を見た感想・・・

レースに於いての、「今やるべきこと」の大切さ・・・
レースのためにコース入りしてからの、決勝までの気持ちの進め方・・・
上記についてカートのレースに挑んでいる選手はいるのだろうか・・・
これの意味はシャシーセットを進めながら、もちろんタイムアップを目指しての 各セッションの走行をこなしていくという意味ではある。
しかし、ここで注意しなければならないのは「ドライバーの仕事」の分野である。
例えば鈴鹿のレースになると、各クラスのエントリー台数等を考えても、 平日に練習に行ったときとは全く違う路面になっているはずである。
この路面の変化は「その時にしか無い路面である」ということを理解しなければならない。
この意味は刻々と変わりゆく路面の変化に対して、シャシーセットも変化させながら ドライバーも、その変化した路面に対応しなければならない、ということである。
私は、今FIA F3を走っている岩佐選手と鈴鹿のカートレースシーズンを共に 4年を共にした。
ヤマハSSで2年、X30で各々2年で計4年である。
その4年間の後半のX30クラスにチャレンジしてから、私は非常に大切な アドバイスをしている。
日曜のレース前のセッションも常に次のセッションあるいは次のヒートの 路面を読むために路面に対する「安全圏内だけで走ってはだめだ」と話し したことが何回か有った。
例えば、ずっとドライ路面であれば、きっと間違いなく路面の状況はグリップが 上がっているはずである。 そのような状況の中で、各コーナーを安全圏内だけで走っていてはダメだと 教えたことがある。 「路面の状況がどんどん良くなる場面では、そのコーナーごとに前のセッションよりも コーナーを攻めないとだめだ」 つまりは常に「もっと早く走れる要素があるかもしれない」ということを いつも考えてコーナーを走ることが大切だ、ということである。
つまり、「自分のドライビングを型にはめてはダメだ」ということである。
これは、私の経験則である。常に「速さ」に対して貪欲に考えて走らないとだめだ、 ということを意味している。 ひょっとしたら、岩佐選手は FIAF3 にチャレンジしている今の瞬間に 私が過去に話したことを理解しているのかもしれない。
先日のオートスポーツ記事を読んだら、岩佐選手自身が言っていた言葉が 「走行時間が限られる中で、セッションごとに徐々にペースを上げているのでは 時間が足りなくなるということを感じている」とあった。 これは刻々と変化する路面とタイヤの状況の中、その時間帯あるいはその瞬間でした ない状況があるということである。 これはまさしく鈴鹿でアドバイスした内容そのものである。 あるコーナーの区間タイムをベスト走るときに、もし100%があるとしたら 80%ー90%ー95%と徐々に攻めるのではなく、タイヤが温まって行ける状態に なったら、最初から95%ー98%ー99%でコーナーを走ることが短時間で その区間の自身のベストタイムに持って行く手法であるという意味である。
記事の中では、「この各セッションのアプローチの手法を変える努力をする」 と書いてあったが、これがその状況を「野獣になる」という言葉で表したのだと思う。 レーシングマシン特にフォーミュラは限界に近い領域でなければ理解できない 動きが多いはずである。その領域の動きを早く理解する近道は 「タイヤがOKになったら、いきなり攻める」と表現できるだろう。 それはカートでも同じである。たとえ壊したとしてもフォーミュラより安い・・・ F3ではF1の角田選手のようにスペアシャシーがあるわけではないと思うので 大破しない程度の破損も覚悟でのタイムアップのチャレンジになるが、 ドライバーの評価として、あるいはプロドライバーの魅力としての要素の中には 「短時間でコースのタイムを限りなく上げる」ことが大きな魅力につながる。 その辺を十分理解し今後のプロドライバーの魅力に繋げていってもらいたい。