ホンダ育成の加藤大翔、マカオGP初挑戦で殊勲のルーキー勢最高5位。スタートでのポジションダウンを悔やむ「リベンジがしたい」

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  2025年のマカオGP FRワールドカップは、7人の日本人ドライバーがエントリー。その中でホンダの育成ドライバーである加藤大翔(ARTグランプリ)は、日本勢最上位、そしてマカオGP初参戦ドライバーで最上位となる5位でフィニッシュした。  今回が初のマカオながら、フリー走行でトップタイムをマークするなど好調な滑り出しを見せていた加藤。予選では4番グリッドを確保すると、予選レースではスタートでひとつポジションを落としてそのまま5位フィニッシュ。レース後の加藤は「ひどいスタートでした。クラッチのバイトポイントの問題だと思います。クルマの調子は良かったので、スタートさえ良ければ3位、4位を狙えたと思います」と悔しさを滲ませていた。  5番グリッドから迎えた決勝レースにおいても、加藤はスタートの蹴り出しが良くなく、トップ3に襲いかかるというよりは後ろのライバルを牽制してなんとか抑えるというような格好に。オープニングラップは6番手で終えた。  その後、チームメイトのエヴァン・ジルテールに交わされた加藤は、フレディ・スレイター(プレマ)のリタイアで6番手にポジションを戻すと、セーフティカーが解除されリスタートが切られた残り2周、リスボアでジルテールをオーバーテイクして5番手に。そのまま5位でのフィニッシュとなった。  レースを終えて開口一番、「また酷いスタートになってしまいました」と語る加藤は、次のように振り返った。 「セーフティカーも何度も出ましたが、それでも常に落ち着いて走っていました。最終ラップはここが勝負どころだと思い、チームメイトを抜きにいきましたが、良いオーバーテイクができました。かなりタイトで少し接触がありましたが、2台とも問題ありませんでした」 「良い週末になりました。マカオ初挑戦で5位はとてもポジティブですし、この経験は来年F3で走るモナコでのレースに向けてもプラスになりますね」  全体的なペースは悪くなかったものの、セットアップ変更がうまくいかず、トップ3を脅かすほどの速さはなかったと語る加藤。今回の結果自体には一定の満足感があるようだが、リベンジをしたいという気持ちはある様子。FIA F3へとステップアップする来季もここに戻ってくることになるのかという質問には、こう答えた。 「正直分かりませんが、また走りたいですね」 「このサーキットは最高で、本当に素晴らしいです。もちろん、またリベンジがしたいです」  その他の日本勢では、TOM'Sの佐野雄城が18番手スタートから乱戦を戦い抜いて9位シングルフィニッシュを果たした。今季スーパーフォーミュラ・ライツに参戦している佐野もマカオ初挑戦だが、TOM'S首脳陣のひとりである山田淳氏も、佐野がしっかりとやるべき仕事をこなせたと評価した。 「昨日はハンドリングが悪く、(予選)レースではプッシュできていませんでしたが、今日はプッシュできていましたね。そういう意味でも進歩しているし、佐野選手としても『やれることはやった』という気持ちだと思います」  またTOM'Sはこれまで、タトゥースのフォーミュラ・リージョナル車両と機材をレンタルしての参戦であったが、車両が新規格に変更される来シーズンに向けては、自分たちで車両を購入しての参戦も検討している。これについて山田氏はこう語った。 「我々は(トヨタの)ドライバー育成を担っていますが、勝てるクルマとドライバーを用意して、しっかりとチャレンジしたいですね。来年に向けては3台エントリーとかを考えてもいいのかなと、思っています」