フォーミュラを目指すこれからのカート選手に目覚めてもらいたいことがあります・・・1

私は、フォーミュラを目指すこれからのカート選手に目覚めてもらいたいことがある。
全く順調というわけではないが、私が4年間カートレース活動を共にした選手 「岩佐歩夢選手」がやっとFIA F2にステップアップを果たした。
昨年の2021年のオートスポーツ誌のNO 1555号に岩佐歩夢の「野獣になりたい」を読んだ。 私は、鈴鹿で岩佐選手との4年の中で、X30クラスのレースサポート時最終戦で全てのヒートを岩佐選手に注目して 最初から最後まで注視していた。
その際の感想を、後にフランスF4に参戦するために出国する際に電話で話したことがある。
その際に岩佐選手に話した内容を、次に書く。又。これは真実である。
「今のようなレースの進め方ではだめだ」と話しした。
今後、周りのレース関係者の注目を得るには、今のように「そつなく結果を残すレースのやり方」では ダメだという意味である。
カートレースと違い、4輪の場合スピードも速く時として「危険な速度」がつきものである。
しかし、そんな場面でレーシングドライバーは「行かなきゃならない時がある」ということを話した。 日本人は、個人的な資金でF2まで行くことは事実上難しい。
しかし、ヨーロッパでは貴族の子息がフォーミュラに上がっていく。
仕事としてドイツにメカニックで行ってきて、私は実感として「肌でヨーロッパのレース事情」体験しして来た 私のアドバイスであった。
その内容を理解し始めた気持ちの表れが、オートスポーツ誌の岩佐の言葉に繋がったと思っている。 その言葉こそ 「野獣になりたい」であった。
常にレース関係者に「おっ、あのドライバーは目立って速いところがある」と注目されるドライバーに ならないとダメだというのが、私が伝えたい意味であった。
どっちかというと、スロースターターの性格であった岩佐選手が、やっと気が付いた気持ちの表れ がその言葉であろうと思う。
しかし、私が話した「行かなきゃならないときがある」ということを実現するためには ドライビングテクニックだけではなく、シャシーセットもしっかり追及しなければならない。
時として、行き過ぎるとタイムが落ちる場合が多い。 4輪のメカニックはしたことが無いので、どこをどうセットすればこうなる、ということは私には4輪は分からない。
しかし、理論的には各セット要所の方向性はカートとおなじであろう。
通常はカートのシャシーセットを追及していくと、タイムを出さなければならない場合、どちらかというと 「速いカートのシャシーセットに、走り方を合わせる」と言った方が近いかもしれない状況になる。
この際に私は細かいセットパーツは「自作パーツ」が非常に多い・・・
その良い例が「シートロゼットワッシャー」であるが、これは市販品は一切使わない。
その他、ゴム製のワッシャー等、毎レース交換するパーツもある。
その他でも、「私だけのセット」があるようで、時々びっくりされることがある。
シャシーセット要素は15か所以上に及んでいる。
限界領域の走行状態は常にあるわけではないが、タイヤの消耗を考えると予選の一発タイムでなければ そのタイムの95%で走っている状況で「行かなければならない時」は100%に近いドライビングに変える というイメージである。
いろんな場面でのセット変更は文章だけでは理解し難く、やはり同じ「目的」に向かって レース活動をする中でしか経験できないこともある。
そんな中で、シャシーセットを含めた、今の路面とシャシーセットに合った走り方の研究が必要であり そのような状況に役に立つであろう「セットに合う走り方」を私が作った教科書に記載している。 それも、物理的にどうすれば良いかの解説であり、何回も読まなければ理解できないかもしれない。 ・・・・2に続く・・・