小学生高学年と中学生の1,2年に物理、数学、力学を理解できないこと 私は気が付いた。
それではどうするのか?
速く走るためのアプローチを、学問から入るのではなく実践から入って 説明する手法に変えることした。
具体的に説明すると、サーキットに入って実際に走っているときの パドックで、何回も何回も同じことを説明する。
それも走る前に説明する。
そして同じことを走る直前に説明する。
その内容は、学問ではなく速くなるための動作と操作のみを説明する。 どのように操作すればいいかを説明する。
同じ説明を1日5回でも6回でも同じ説明をする。
この手法を取り入れて見ました。
所詮子供ですので、「非常に楽しいカート走行の時間」に難しい ことを話してもすぐに忘れてしまいます。
それは「同じタイムが出たらどっちでも良い」ではなく「タイヤの使い方」で あり、「いかにカートの小さいエンジンのパワーとトルクを無駄にしないで走る 操作の仕方」に繋がる操作を説明する。
時には「タイムの出るセット」ではなく「そのような操作のしやすい、操作が分かりやすいセット」 で走ってもらう。
それを繰り返すことで、少しずつ結果が出始めた。
そのような「操作が結果に繋がる」様になったら、選手が興味を持ち始める 理論的な「説明書」を作成し、
20回でも30回でも読んでもらう。
それは1日だけではなく、毎日20回、それを2週間~3週間・・・
さすがに学問的に理解が少なくとも、中学1~2年になればその中の「言葉」 は頭の中に残る。
そして又サーキットで操作の説明を繰り返す。 そうすると、
今まであまり理解できなかった内容が、子供たちにも現実 の現象として理解が進む。
それはタイムが上がって、成績が上がっていくのだから選手も認めざるを得ないわけです。
私は、高校の数学と物理の教員の資格があるが、そんなことより小学生 中学生に 「速さとは何か」を教えることの方がはるかに難しいことを痛感しました。
以上のように、「優れたレーシングドライバーの必須条件」は 「速いというのはどのようなことなのか」を人よりも十分以上に理解する、ということ尽きる。