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ニュース記事引用・・・

空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが来季アストンマーティン入り! 輝かしきキャリアで再認識する近代F1への貢献度 ニューウェイが牽引した近代F1  これまでニューウェイが手がけたマシンは、13回のドライバーズチャンピオンと12回のコンストラクターズチャンピオンに輝いた。90年代以降のF1は、各チームがニューウェイのマシンと戦ってきた時代だとも言える。  現在65歳のニューウェイにとって、アストンマーティンでの仕事はF1での最後の挑戦となるだろう。 「私はローレンス(・ストロール/エグゼクティブ・チェアマン)の情熱とコミットメントに大いに触発され、感銘を受けた。彼は世界一のチームを作ろうと決意している。ホンダやアラムコのような素晴らしいパートナーもいる。彼らはアストンマーティンを世界選手権で優勝に導く重要な要素だ。その目標達成を私が手助けできることをとても楽しみにしている」  ウイリアムズ、マクラーレン、レッドブルと渡り歩いた優勝請負人が、新天地でどんなマシンをデザインするのか。ニューウェイがいるF1を、まだ見ることができる幸運に感謝したい。  当代きっての天才デザイナーの去就がついに決定した。9月10日、アストンマーティンが、2024年シーズンをもってレッドブルを離脱するエイドリアン・ニューウェイを、25年3月1日からマネージングテクニカルパートナーとしてチームに迎え入れることを発表。これにより、F1は新たな時代に突入することとなる。  イギリス・サウサンプトン大学の航空宇宙工学科でレーシングマシンにおけるグラウンドエフェクトを研究したニューウェイは、大学卒業後の1980年、小規模チームのフィッティパルディでF1のキャリアをスタートさせた。その後マーチに移籍し、F1以外のレーシングマシンやインディカーのプロジェクトにも参画。ニューウェイが手掛けたマシンは、84年から87年までインディ500を4連覇した。  ニューウェイが本格的にF1マシンのデザインに携わったのは88年。ターボ・エンジン全盛だった当時、多くのマシンが強力なエンジンパワーでストレートスピードを上げていく中、ターボ・エンジンを入手できなかったマーチは、馬力で劣る自然吸気エンジンで対抗するしかなかった。しかし、ニューウェイが手がけたマーチ881は空力に優れ、空気抵抗が少なく、かつコーナーで速かった。日本GPでは、イワン・カペリが駆るマーチ881が、16戦15勝でシーズンを席巻したチャンピオンマシンであるマクラーレン・ホンダMP4/4をシケインの立ち上がりでオーバーテイクしたこともあった。 「優勝請負人」伝説の始まり  その才能に目をつけたウイリアムズが90年にニューウェイを獲得。アクティブサスペンションなどのハイテクシステムを導入したウイリアムズFW14Bは、空力の天才ニューウェイによる洗練されたデザインをまとって最強マシンに進化し、92年に王座奪還に成功する。そして、ここからF1とニューウェイの伝説が始まる。  ウイリアムズ時代に4回のドライバーズチャンピオン(92、93、96、97年)と5回のコンストラクターズチャンピオン(92、93、94、96、97年)獲得に大きく貢献したニューウェイが、次に手がけたマシンはマクラーレンだった。マクラーレンで最初に手がけたMP4-13は、98年の新しいレギュレーションの下でデザインされたものだった。この年、F1は安全性を高めるために車幅が狭くされ、タイヤもスリックから溝つきへと変更された。多くのチームが新ルールへの適合に苦しむ中、ニューウェイのアイデアが反映されたMP4-13はいきなりチャンピオンシップ争いを展開。フェラーリのミハエル・シューマッハとの激戦を制して、マクラーレンに7年ぶりのタイトルをもたらした。  マクラーレンでドライバーズタイトルを2回(98、99年)、コンストラクターズタイトルを1回(98年)獲得したニューウェイが、次に活躍の場として選んだのがレッドブルだった。ウイリアムズやマクラーレンといった伝統的なチームで1年目から結果を出したニューウェイだが、当時のレッドブルはジャガーを買収して05年からF1に参戦したばかりの新興チーム。05年末にチームに加わったニューウェイは目先の結果を求めず、時間をかけて技術部門を立て直すことを優先した。  その判断が実を結んだのは09年。車体製造に関するレギュレーションが大幅に変更となったこの年、多くのマシンが不格好となってしまった中、ニューウェイが設計したRB5は変更したレギュレーションに合わせてデザインされたものとは思えないような美しいフォルムを成して、レッドブルに初勝利をもたらした。翌10年、RB5を進化させたRB6でレッドブルが初のチャンピオンとなると、13年まで4年連続でダブルタイトルを独占する。  14年からのF1は、1.6リッターV6ターボに2種類の回生エネルギーシステムを搭載するパワーユニットの時代になり、レッドブルは競争力のあるパワーユニットを入手できずに低迷。この苦境を脱する最大の武器となったのが、19年からパートナーを組んだホンダのパワーユニットだった。輝きを取り戻したニューウェイは、21年から再びトップランナーに返り咲く。23年のRB19は22戦中21勝し、F1史上最高の年間勝率を記録した。 ニューウェイが牽引した近代F1  これまでニューウェイが手がけたマシンは、13回のドライバーズチャンピオンと12回のコンストラクターズチャンピオンに輝いた。90年代以降のF1は、各チームがニューウェイのマシンと戦ってきた時代だとも言える。  現在65歳のニューウェイにとって、アストンマーティンでの仕事はF1での最後の挑戦となるだろう。 「私はローレンス(・ストロール/エグゼクティブ・チェアマン)の情熱とコミットメントに大いに触発され、感銘を受けた。彼は世界一のチームを作ろうと決意している。ホンダやアラムコのような素晴らしいパートナーもいる。彼らはアストンマーティンを世界選手権で優勝に導く重要な要素だ。その目標達成を私が手助けできることをとても楽しみにしている」  ウイリアムズ、マクラーレン、レッドブルと渡り歩いた優勝請負人が、新天地でどんなマシンをデザインするのか。ニューウェイがいるF1を、まだ見ることができる幸運に感謝したい。